インストールプログラムの起動

 インストールを開始するには、まずインストールプログラムを起動します。インストールに必要な資源がすべて揃っていることを確認してください。すでにChapter 2 を読み終わり、指示にしたがっているならば、インストールを開始する準備が整っているはずです。

Note注意
 

 ハードウェアコンポーネントによっては、インストール時にドライバディスクが必要な場合があります。ドライバディスクは、インストールプログラムがサポートしないハードウェアのサポートを追加するためのものです。ドライバディスクは、Red Hatによって作成されたものか、またはユーザー自身が作成したディスクか、あるいはハードウェアベンダーがハードウェアとともに出荷したディスクのいずれかです。

ドライバディスクを挿入するように指示が画面に表示された場合、ベンダーが提供するドライバディスクを持っていればそれを挿入してください。ドライバディスクは、http://www.redhat.com/support/errata/からも入手できます。ドライバディスクの詳細については、オフィシャル Red Hat Linux リファレンスガイド付録C「ドライバディスク」を参照してください。

インストールプログラムの起動

Note注意
 

 ブートディスクを作成する必要がある場合は、the section called インストールディスクの作成 in Chapter 2を参照してください。

 ブートディスクをフロッピーディスクドライブに挿入してから、コンピュータを起動します(使用しているマシンがCD-ROMドライブからの起動をサポートしている場合、CD-ROMから起動します)。フロッピーディスクまたはCD-ROMから起動するためには、BIOS設定を変更する必要がある場合があります。

Tipヒント
 

 BIOS設定を変更する場合は、コンピュータの起動の初期段階で表示される指示に注意してください。通常は、BIOSの起動処理中に、設定画面に入るためにどのキーを押すかを示すテキストが表示されます(DeleteキーやF1キーの場合が多いようです)。

 BIOSセットアッププログラムに入ったら、起動順序を変更するセクションを確認します。デフォルトは通常、[C, A]または[A, C]です(ハードディスクドライブ[C]から起動するか、フロッピーディスクドライブ[A]から起動するかによって異なります)。この起動順序を、最初がCD-ROMで、次に通常の起動のCまたはA(設定によってどちらかになります)になるように変更します。この変更によって、コンピュータでブート可能メディアとしてまず最初にCD-ROMドライブを確認し、ブート可能なCD-ROMがあればCD-ROMから起動し、そうでなければ次にハードディスクドライブまたはフロッピーディスクドライブを確認するようになります。

 変更を保存してBIOSを終了します。詳細については、システム付属のマニュアルを参照してください。

 以下のメディアのうち、いずれか1つを利用して、Red Hat Linuxインストールプログラムを起動することができます(システムのサポート状況によります)。

 しばらくすると起動画面が表示され、boot:プロンプトが表示されるはずです。この画面には、各種の起動オプションに関する情報が含まれています。各起動オプションにはヘルプ画面が関連付けられています。ヘルプ画面にアクセスするには、画面下部に表示されたファンクションキーを適宜使用します。

 インストールプログラムを起動する際、次の2点に注意してください。

 通常はEnterキーを押すだけで起動します。起動メッセージをよく見て、Linuxカーネルがハードウェアを正しく検出するかどうかを確認してください。ハードウェアの検出が正しく行われない場合は、エキスパートモードでインストールを実行し直す必要があります。ハードウェアが正しく検出された場合は、次のセクションに進みます。

別の起動オプション

 エキスパートモードに入るには、次のブートコマンドを使用します。

boot:linux expert

 CD-ROMからのGUIインストールを実行したくない場合は、次のブートコマンドを使用して、テキストモードでインストールを実行することもできます。

boot:text

 テキストモードインストールの手順については、Chapter 5を参照してください。

シリアルインストールを開始するためのコマンドが変更されました。シリアルモードでインストールを実行する必要がある場合は、次のコマンドを入力してください。

boot:linux console=<device>

ここで、<device>は、使用するデバイス(ttyS0やttyS1など)です。

ダイアログボックスを明示的に要求して追加デバイス(ISAデバイスなど)を設定するには、「isa」を指定します。

boot:linux isa

 初回のブートメッセージには、SCSIやネットワークカードに関するものは含まれませんが、これは正常です。それらのデバイスは、インストールプロセス中にロードされるモジュールによってサポートされるからです。

カーネルオプション

 カーネルにオプションを渡すこともできます。たとえば、カーネルに対して128MバイトシステムのすべてのRAMを使用するように指示するには、以下のように入力します。

boot:linux mem=128M

 オプションを入力してからEnterキーを押すと、オプションを使用して起動します。

 ハードウェアを識別するための起動オプションを指定する必要がある場合は、そのオプションを書きとめておきます。インストールプロセスのLILO設定部分で必要になります(詳細はthe section called LILOのインストールを参照してください)。

フロッピーディスクを使用しない起動方法

 Red Hat Linux/x86 CD-ROMは、ブート可能CD-ROMをサポートするマシンで起動することができます。すべてのマシンがこの機能をサポートしているとは限りません。CD-ROMからシステムを起動できない場合、ブートディスクを使用しないでインストールプログラムを起動する方法があります。以下の方法は、x86ベースのコンピュータ専用です。

 システムにMS-DOSがインストールされている場合、ブートディスクを使用せずに、CD-ROMドライブから直接起動することができます。

 以下のコマンドを使用します(CD-ROMがドライブd:の場合)。

C:\>d:
D:\>cd \dosutils
D:\dosutils>autoboot.bat

 この方法は、Windows上で動くMS-DOSプロンプトのウィンドウで実行しても動作しません。autoboot.batファイルは、MS-DOSが単独のオペレーティングシステムとして稼動する状況で実行しなければなりません。Windowsが動作していてはいけません。

 CD-ROMから直接起動することができず、また、MS-DOSベースのautobootも利用できない場合は、インストールを開始するためにブートディスクを使用する必要があります。